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ななはち録

イラスト、マンガ、ゲーム、アニメとか。トレンドがコロコロ変わる福人ずけの七転八倒なブログ。なにかあれば→zukejikkyou(at)gmail.com

Twitterのアンケート機能を使った創作ゲームの考察

 

どうも、ずけです。

普段はイラストとか描いてますが、実は…というか普通にゲームが大好きで、特にゲームを「創ること」が好きです。今回はそんな創作ゲームについてのブログです。

 

 

 Twitterのアンケート機能を使ったゲームとは

ゲームにもいくつか種類がありますよね。アナログゲームデジタルゲーム、シュミレーションゲーム、RPGFPS…。

多種多様なゲームこそあれ、Twitterの機能を用いたゲームというものはこれまで無かったのではないでしょうか。(あったらすいません)

 

Twitterを用いたゲーム」を作れないかなと思い、色々考えた結果行きついたのが「アンケート機能」でした。

 

ボードゲームやパズルなどのフラットな思考ゲームも楽しいけど、

大衆心理などの社会的要因が関係してくる思考ゲームも楽しそうだな〜という単なる好奇心で生まれたのがこちらのゲームです。

(以下、ゲームの文面)

 

f:id:zzzuke:20171109000155j:image

 

このゲームの結果については実際に参加してもらったツイートにてどうぞ。

 

(まだゲームに参加していない方で、ゲームに参加したい方はここで選択肢を考えてから先にお進み下さい)

 

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結果としては、選択肢「4」を選ぶプレイヤーが最も多く、選択肢「3」を選んだプレイヤーが勝利するという結果になりました。

27111票もの参加ありがとうございました!そして「3」を選んだ23%のプレイヤーの皆様、おめでとうございます!

 

140文字という制限の中でルール説明をしているため、参加していただいた方の中には少し定義が曖昧ではないのかという趣旨の指摘がありました。

その点はホントに申し訳なかったです(自分の言葉選びの不適切さもありました)。

 

という訳で、ルールの補足ツイートも載せておきます。

 

 

 

再整理をすると、以下のように条件を分けられるかと思います。

f:id:zzzuke:20171106201451j:image

 

以上のルールを踏まえた上で、これを見ている皆さんは、「1」「2」「3」「4」のどの選択肢を選んだのでしょうか?それぞれの選択肢に辿り着くまでの心理の過程が気になるところです。

 

それぞれの選択肢の勝利条件は?

 

アンケートが締切られ、ゲームが終わったところで解説しようと思っていたのですが、ゲームの途中で「勝利条件」について的を得た考察を送っていただいたリプライがあったので紹介させて頂きます。

 

 

 

 この方の仰る通り、全ての選択肢に勝つ可能性はあるにはあります。

ですが、普通に考えたら「1」や「2」の選択肢では勝利に期待できませんよね…。

 

という訳で、ここまで考えが及べば、実質「3」か「4」かの二択となる訳ですが、結果から言えば「4」を選んだ人は47%、「3」を選んだ人は23%と倍近い票数の差が生まれました。

そして「2」を選んだ人は23%。奇しくも「3」を選んだ人の割合23%と同じ結果に。

 

これは非常に興味深い結果です…°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°

 

という訳で、今回のブログでは

結局3」か「4」、どちらを選ぶのがベターなのか

何故「3」と「4」に2倍近い得票数の差が生まれたのか

何故、「2」を選ぶプレイヤーがここまで多くなったのか

に主に焦点を当てて考察していきます。

 

 

もくじ(気になる項目にジャンプできます)

 

 

勝つためには「3」なのか、「4」なのか。どちらが正解?

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まず、条件①からして、「4」を選ぶのが定石だと考えるでしょう。ここが思考の出発点のはずです。しかし、そう考えるのは自分だけではないはず。自分のような考えを持つ人が大多数だとすれば、条件②に従って自分は負けてしまう…。

 

ここまで思考が進んだところで、選択肢として「3」を選ぶのが最善手ではないのかという考えに至ります。しかし、そこまでの考えに至る人が大多数であったとすれば、最も得票数の割合が高いのは「3」

 

そう仮定した場合、「3」を選んだ自分は敗北し、「4」が勝利できる選択肢となる訳です。じゃあ「4」を選ぶべき…?

 

…と、ここで「堂々巡り」の構造が出来上がるわけですね。「そう考えるのは自分だけではないはず」この仮定を証明する方法は各プレイヤーに実際に聞いて確かめる他ありません。それは現実的に困難。となれば、アンケートの結果を投票で開示しない限り、最善手が決定しない訳です。

 

ちなみにですが、これがもし、プレイヤーが一同に会していて2人以上の組でグルになっていたら確実に1人は勝てるわけですね。開示された得票数の割合を見て投票すればいいのですから。

 

しかし、このゲームのフィールドはTwitter。2人以上が同じ場所でTwitterをしているケースは全体から見れば決して多くはないでしょう。

これは、TwitterというシステムとTwitterを取り巻く社会環境あってこそ成立できたゲームだったと言えます。

 

もうちょっと余談じみたことを話すと、このゲームに参加しているプレイヤーの母数も重要でした。仮に参加者が1人であれば、そのプレイヤーは確実に負けてしまいます。

 

参加するプレイヤー多ければ多いほど、「自分以外の予想できない選択肢」が増えるため、最頻の選択肢を推測するための思考量が必要になるのではないでしょうか。

 

一言加えるなら、最適な解を導出するAIやロボットではなく、ミスもすれば多種多様な考え方も持つ「人間」という生き物がプレイヤーだったからこそ、悩みがいのあるゲームだったかと言えるかと思います。こういうところに自分は今回のゲームデザインの面白さを感じています。閑話休題

 

このゲームの正攻法、または必勝法について考えていきましょう。

このゲームについて考察してくださった方々も多いようですが、1人で臨んだ場合には、おそらくこの「ゲーム」に必勝法はありません。

 

(2人以上でグルになってゲームに参加した場合、思考ゲームとしてのゲーム性は失われているので、最早それがゲームと言えるのかは分かりません。100%の勝利が約束されたゲームは果たして「ゲーム」と定義してよいのだろうか?と自分は考えています)

 

では、「3」か「4」を選ぶ、2分の1の、ただの運ゲーだったのか?

投票前の時点では、どちらが勝つという確証は得られませんし、2分の1という確率ではないにせよ、確かに「確率が高い方を選ぶ」運ゲーとも言えてしまうかもしれません。

 

しかし、結果として「4」を選ぶプレイヤーが多かったことには考察の余地が大きく残されています。

 

何故、大多数のプレイヤーは「4」を選んだのか?

 

様々な心理が考えられますが…

 まず前提として「ゲームに勝つために参加したプレイヤー」の思考を推測すると…

 

「3」と「4」のどちらを選んでも勝利が約束されない堂々巡りなのだとしたら、条件①に流されて、どちらかと言えば「4」を選んだ方が良いのではないかという思考に至ったプレイヤー(この考え方は結論から言えば間違っていますが)

 

や、

 

まずは素直に「4」を選ぼうと最初に思案するものの、おそらく大多数の人が最初のステップとして感づいた「こうやって4を選ぶ人が1番多いんじゃないか」という疑念から、「3」を選ぼうと思い立つが、ここで「こうやって裏をかいて3を選ぶ人が1番多いのではないか」という考えを決め、そこで「4」という選択肢を選んだという人

つまり「裏の裏」をかいて「4」を選んだ人

(これが一番多そう)

などが考えられます。

 

「ゲームの勝敗にあまり執心せず適当に参加したプレイヤー(運任せ、ラッキーナンバーで決めるなど)」もいるかとは思いますが、純粋な考察の雑音にしかならないので考えないことにします。

 

とにもかくにも、こうして「4」を選んだプレイヤーの心理を読み切り「3」が勝ち筋だと見切ったプレイヤー本当の意味での今回の勝者となったわけですね。

 

堂々巡りの思考回路に陥ったプレイヤー目線で考えると、その思考反転回数に関わらず

 

思考の出発点としての選択肢「4」を表として定義した時、

「裏」を読んだプレイヤー

「裏の裏の裏」を読んだプレイヤー

「裏の裏の裏の裏の裏」を読んだプレイヤー…

とにかく

「裏 + (の裏)×2n」(n≧0)を読み切って

「3」を選んだプレイヤーが勝った。とも言い換えることも出来るのではないでしょうか。

 

ここから、「3」を選んだプレイヤー(23%)が「4」を選んだプレイヤー(47%)の約2分の1だった理由を推測することが出来ます。ここから結果として得られた今回の得票数の割合についての考察を進めます。

 

何故「3」と「4」に2倍近い得票数の差が生まれたのか

 

選択肢「3」を選んでも「4」を選んでも堂々巡り(=同じ)だとしたら、「3」の期待効用と「4」の期待効用も同じ。この要因、今回のゲームにおいては、「50%の割合で裏をかく」という現象に帰結します。あまり他の要因については難しく考えません。

 

選択肢「4」を思考の出発点とした時、50%の確率で裏をかく(=「3」を選ぶ)とすると、「3」を選んだ時に更に裏をかいて「4」を選ぶ確率もそのまた50%となります。(条件付き確率)

 

この試行回数が極限まであったとしても、「4」を出発点とした場合に、「3」と「4」の二択の中で裏をかく確率が50%の場合、最終的に「3」を選ぶ割合は「4」の半分になります。この辺について詳しくは図にまとめたので参照ください。

 

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とにかく、「選択肢「4」を出発点として、50%の確率で裏をかく」というルールを設定して、数学とか難しいこと抜きに説明するなら、

選択肢「4」の「50%+12.5%+…」って割合と、

選択肢「3」の「25%+6.25%+…」って割合だったら、

「4」の方が割合は高くなるだろうし、ちょうど「3」の割合の2倍になるよね!ってことが言いたいわけです。

(一応)下のところで等比数列を用いてますが、項の数は「裏をかいた思考回数」だと置いて欲しいです。

 

「3」と「4」の得票数の差が丁度2倍程度離れていた要因については、この条件付き確率と数列に基づいた理論で説明を立てられるのではないかと、自分は考えました。他に何か思い当たる理論があれば、是非コメントなどで共有ください。

 

 

プレイヤーの思考パターンを考え出せばキリがないので、一旦「3」と「4」についての考察はここで一区切りにしたいと思います。

 

次に、そんな「3」と「4」の二択のせめぎあいの中、「3」と同じだけ得票数を獲得した「2」や「1」を選んだプレイヤーの心理について考察していきたいと思います。

 

選択肢「2」「1」を選んだ人の心理

 

結論から言ってしまえば、おそらく「3」か「4」かの堂々巡りの構図にまで考えが及ばず、「ミス」として「2」を選んでしまった人が多いのではないでしょうか。

 

友人に直接このゲームをやらせてみたころ、

「直感だけど、バランス理論として、「2」、「3」の選択肢が多そうだなぁ」と言っていたので、構造に気付かなかったプレイヤーにおけるバランス心理の要因も大きいと思います。

 

それとはまた別の可能性として、「3」と「4」の堂々巡りの構図を分析した結果として、その得票数が同数と読んで「2」を選んだ場合も考えられます。

 

結論としては「3」「4」票が揃わなかった訳ですが、これは尖った戦略と言えると思います。

 

他にも要因が考えられるかもしれませんが、予想以上に「2」が多かったことは事実です。

 

「1」を選んだ人の割合は7%。「結果を見たい」などの要因は除き、

「勝ちたい」と思ってしっかり考えた場合、選択肢「2」「3」「4」が同票にならないと勝てないと判断した上での選択なので、相当尖った戦略だったと言えます。

一般的には、先述した思考回路から選択肢「3」と「4」が揃うことが少なからず予想できるのですが、今回は揃いませんでした。

今回はむしろ「3」と「2」の票が揃いました。これを予想していたとしたら相当の読み手だと思います。

 

プレイヤーの方も少なからず感想としてこぼしていましたが、自分も「2」と「3」が同じ割合の票を獲得するとは思いませんでした。

何故「2」と「3」が同じ得票数になったのか…例の、バランス心理において「2」と「3」が同列の役割を担っていたのか…仮説こそ立てられるものの、その辺りの謎を説明できる理論は未だに判明していません。

 

今回は、このゲームが社会的に浸透していない(=初見)だからこそ得られた結果だったのかと思いますが、

この結果を知った上で、再度アンケートゲームをやったらどうなるかも興味深いところです。

 

(追記)

と思っていたら実験してくださった方が現れました。

引用させていただきます。

 

 

 

前回のゲームで結果を学習し、次のゲームでは、もう一度「裏」をかいた選択肢が一番大きくなる傾向があると言えます。

これはまだ試行回数として3回ですが、この回数が増えていくと得票数がどう変化するのか、実験してみたいものです。。

予想としては、だんだん「最も大きい数字」の選択肢と「2番目に大きい数字」の選択肢の得票数の差が、回数を重ねるごとに小さくなるのではないでしょうか…?

 

以下、参加して下さった方々の創作変則ルールや、考察や感想です。参加していただきありがとうございました!

 

参加して頂いたプレイヤーの方々の声

 

 

 

おわりに

 

今回は予想以上に多くのプレイヤーに参加して頂き、「どうなるのだろう?」という好奇心も純粋に満たすことが出来ました。

 

ゲーム創作者側からすると、ゲームのシステムに対する純粋な批判や、プレイヤーの心理的動向の共有などがあると、今後のゲーム創作に役立てていけますので、是非コメント頂ければありがたいです。

 

普段はおちゃらけてますが、創作ゲームのコンペに参加したり、ゲームの論文を読むくらいには、ゲームシステムとか理論について興味がある感じのアレで、今回のブログは少しカタかったかもしれないなと思います。(柔らかい説明、心がけていきたい…)

 

兎にも角にも、今後もまた、新しいゲームを思いついたらブログにて紹介したりTwitterで告知したりしたいと思います。

 

次回作にも、ぜひぜひ参加して頂ければ嬉しく思います。それでは!